私たちの使命

背景にある社会課題

1.子どもの貧困とその連鎖

日本ではいま、7人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。また、ひとり親家庭の子どもの2人に1人が貧困状態です。このような子どもたちは、教育や体験の機会に乏しく、地域や社会から孤立し、様々な面で不利な状況に置かれてしまう傾向にあります。

イラスト出典:認定NPO法人おてらおやつクラブ

さらに、日本では大学や専門学校の学費が高いために、貧困の連鎖が起こります。高所得の家庭では、子どもが小さい頃から知育玩具を与え、読み聞かせをし、毎日公園に連れて行ったりさまざまなお稽古をさせたりします。親戚も皆、大学に行くのが当たり前で、大学院や留学も珍しくないような環境です。その一方で、低所得の家庭では親の収入が少ないために子どもが十分な教育を受けることができず、進学・就職のチャンスが乏しくなります。それによって収入の確保が困難になり、子どもの世代も貧困になるという連鎖が起きてしまいます。お金という経済資本のみならず、家庭がもつ文化資本や生活環境の違いが、埋めがたい差となって表れています。

参考:渡辺由美子著『子どもの貧困』/イラスト出典:内閣府「子供の未来応援国民運動」

2.教育の格差と体験の格差

親の所得が高いと子どもの学力も高く、逆に親の所得が低いと子どもの学力も低いという現象が起きています。所得が低い家庭では、勉強を教えたり勉強をするための環境を整えたりすることが困難であることが大きな原因となっています。

出典:国立大学法人お茶の水女子大学「平成25年度全国学力・学習状況調査【きめ細かい調査】の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究

さらに、親の収入によって子どもの放課後や休日の過ごし方が異なることも、学力の格差を生む原因になっています。高収入の家庭では子どもに文化活動や体験学習の機会を与えることができますが、そうでなければ保護者が仕事で忙しく、子どもに時間を割くことが難しい場合が多いのです。目に見えない放課後や休日の刺激の量の差が学習意欲の格差を生み、学力の差として現れてしまいます。スマチルでは、少しでも多くの子どもたちが文化活動や体験学習をできるよう、さまざまな工夫やイベントを提供します。

参考:川上 敬二郎 著『子どもたちの放課後を救え!』

3.放課後の子どもの安全の確保が困難

子どもが犯罪に巻き込まれる事件の多くは、学校と家庭など大人の目が離れる時間帯、放課後の時間に起きています。スマチルでは、15時から20時の間子どもたちが過ごす場所を提供することで、保護者さまが安心して家事やお仕事に専念できる環境をつくることを目指します。

出典:2021年 千葉県警調べ「子どもの犯罪の発生時間帯」

4.学習意欲の低下

約3割の子どもが、「将来の夢が無い」と感じています。同時に、日本の子どもは「最も自分の学力に自信が無い」「最も勉強をおもしろいと思っていない」「最も得意教科が無い」ことも分かっています。スマチルでは、地域の働いている人やボランティアの大学生と交流することで、「あんな大人になりたい」といった自分の未来像を想像し、学びに対する意欲の向上をはかります。

出典:2020年 株式会社スプリックス「6歳~15歳の子どもを対象としたアンケート調査」

保護者様と子どもの視点から考える社会課題

子育て世代の保護者様と子どもたちの視点から、もう少し具体的に社会課題について考えてみます。

私たちにできること

1.放課後の時間、お預かりと食事提供をすることで、保護者の時間と心にゆとりを提供
保護者が時間と心に余裕を持つことで、子どもと愛情をもって接することができるようになることを目指します。

2.放課後の子どもたちの安全を確保
犯罪に巻き込まれる可能性が高い15時~20時の時間をまなびばスマチルで過ごすことで、保護者が安心して家事や仕事に専念できます。さらに、「スマチル通貨」や「子ども新聞」など、地域との交流を通して地域で子どもを見守る体制をつくります。

3.地域で子育て/子育て情報の共有
子育てセミナーを開催して、保護者さまの悩みを解消します。保護者さま同士の交流の場にもなります!

4.自主的な学びを促す
体験学習を通して、学びの楽しさを伝えます。また、ボランティアの大学生や大人、地域で働く
社会人と関わることで、学ぶことへの意欲につなげます。

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